2007年01月05日

あらすじ1

あらすじ1

都市伝説「メリーの電話」

少女が引っ越しの際に捨ててしまった人形メリーが、復讐のためにその持ち主のところに現れる。電話で自分の居場所を知らせながら、次第に近づいてくる・・・

・・・・私、メリー・・・今、あなたの後ろにいるの」

様々な累計を持つ有名な都市伝説。「メリーさんの電話」に魅せられた一人の男が、かつてネット上に存在した。

は、様々な伝承、都市伝説のルーツ、伝播した時期をこつこつと調べ、巨大掲示板で知り合った同志の書き込みを元にまとめサイトをつくった。

『【メリーさん完全攻略】』

そのサイトは一気に盛り上がりを見せ、まとめサイトの管理人であるはそこに集まった情報を元に一つの実験を試みる。

それは『メリーさんの召喚』

のサイトはブログ形式のものに移り、召喚に成功したと豪語するの毎日の記録かつづられ始めた。

しかし、その記録は、人間のおぞましい欲望をさらけ出したものだった。

そのあられもない状況に狂喜するもの、嫌悪を示すもの、ネタだと断言するもの、様々なコメントが繰り広げられた。

幼い少女の体に自らの欲望をたたきつけ続けた記録は、ある日をきっかけに沈黙を始めた。

それを異変と感じたものがいた。モニター越しにその異変を感じ取った彼ー上田たかしは、まとめサイトに書き込まれたいたヒントを元にまとめサイトの管理人であると同じように「メリーさんの召喚」を試みた。

まとめサイトが更新をやめて2日後。

パソコンのモニターを見つめる彼の元に電話がかかる。

「わたし、メリー・・・

振り返った上田たかしの目の前には、彼が恋焦がれた高貴な雰囲気を醸し出した少女が巨大な鎌を手に立っていた。

上田は、まとめサイトから得た情報を元に行動し、振り返ると同時に死を迎えるという巨大な鎌の攻撃を避け、メリーに話し掛ける。

「いつ殺してくれてもいい。ただ、少しの間でも君のことを見ていたい」

予想外の反応に戸惑いを見せるメリー。

相手を極限までに怯えさせ、その恐怖の絶頂の中で死を与える。それこそが都市伝説の中に行き続けるメリー。やさしい表情で声をかけられたメリーは、プライドの高さゆえに上田たかしを殺すことをとどまる。

メリーに何の危害も与えない存在、さらにメリーのためにクローゼットいっぱいの洋服を用意していた彼の存在を、メリーは不思議に思いながら、彼が会社へと向かうのを見送った。

出社途中の電車の中で上田たかしの電話がなる。しかし、それは無言電話だった。彼はメリーであることに気がつくが、どこにいるのかも知らせない電話の主にどうすることもできない。そのうちに騒然となる上田の会社。美少女が同僚の携帯を奪い、逃走中だという。会議の準備中だった彼はいてもたってもいられず会議室を飛び出す。そこには問題の携帯電話を手にしたメリーが立っていた。メリーの存在を隠し、トイレに潜もうとする上田の前に、彼の幼馴染で男勝りな麻子がトイレの中にいた。言い訳をするまもなく、麻子ごとトイレの個室に駆け込む上田。男勝りで世話好きな麻子の好奇心を交わし、何とか会社を脱出。メリーと手をつないで家へと帰る中、メリーの見せた笑顔に幸せを感じる上田だった。

しかし、上田は疑問に感じていた。「メリーは何故鎌を手にしなかったのか?」

自分を殺しにやってくるものだとばかり思っていた存在がまるでさ寂しくてしかたがなかった子どものようにすがり付いてくること。また家に帰ってクローゼットの洋服を夢中になって選んでいる姿を見るにつけ、疑問は広がる。

鎌を手に取った上田の体の中に鎌の中から流れ込んでくるものがあった。それはありとあらゆる欲望を凝縮させたような黒い塊だった。上田の異変に気づいたメリーは、上田の前に立ちふさがる。

圧倒的な威圧感で彼の前にたつメリーに上田は、「笑ってくれ」と頼み込む。欲望の黒い塊に支配され、まとめサイトの管理人のようにメリーを汚してしまうことを恐れた彼は、メリーの笑顔に救いを求めたのだ。メリーとの幸せな時間、それは彼にとってメリーの見せた笑顔だった。

「・・・大切にするって・・・いっただろ。だから、笑って。」

メリーは上田に笑顔を見せる代わりに上田を抱きしめた。

「大切にしてください・・・」

メリーの言葉に上田の中にあった黒いものは消えていった。上田は自分の中に恐ろしい黒い塊を注ぎ込んできた鎌を毛布でくるみ、ベッドの下へと追いやった。落ち着いてクローゼットの中の服を選び始めるメリー。その様子を眺めて幸せな気持ちを感じていると、メリーが服を脱ぎ始めた。

あわてて目をそらそうとする上田にメリーはほっぺたを膨らませ、脱ぎかけの胸元を手で押さえて、「えっち!」とかわいく抗議する。黒い欲望とは別のものに支配されそうになりながら、上田はその衝動をおさえ、着替えを始めるメリーに背を向けた。ニヘラ笑いを浮かべながら顔を上げると玄関口から顔だけ出している麻子のしかめっ面が見えた。

メリーに気づかれないように急いで麻子を外へと引きずり出す上田に、麻子は無情にも一言はなった。「ここに変態がいるよぉ・・・」

外の騒ぎに気づいたのか、玄関口に出てきたメリー。着替えを済ませて、白いワンピース姿になったメリーに見とれていると、麻子の口から、「こんな妹がいたら絶対に大切にするのに・・・」という言葉が。上田はそのときのメリーの変化に気づいた。うつろな視線で麻子を見つめ、「大切にしてくれる?」と聞くメリー。上田は気づいた。「大切にする」この言葉こそが、メリーを支配するためのキーワードであったことを。自分が知らずに発した言葉。それで、メリーが変化してきたことを。そしていま、その対象は上田から麻子に移ろうとしていることを。

自分の手元から離れ、他の存在に心を移していこうとするメリーを見ることは上田には耐えられなかった。上田はぐぅぅぅおおおぉぉぉぉんと言う不気味な音とともに、自分のまぶたの内側から広がる肉体の内部の世界を垣間見る。そこには先ほど上田を苦しめた黒い塊が甘い誘惑を発していた。

―――前の人間とは違う方法でメリーを穢してしまえーーーー

と黒い塊が言う。メリーを傷つけずにおぼれさせてしまえ。汚されることに喜びを与えてやれと。

次第に、黒い塊は、上田にさまざまな情景を見せ始める。それは上だの願望とも妄想とも言える長い長い夢だった。その中で上田はメリーとともにすごし、一生分の時間をかけてメリーを愛しぬく。しかし、彼も年を取り、ある日交通事故で帰らぬ人となる。上田は魂だけの存在になりながらも、部屋で彼の帰りを待つメリーの絶望的な寂しさを感じ必死に声をかける。

黒い塊の求めていた「究極の裏切り」によってメリーが再び鎌を手にする姿を見せ付けられながらも叫び続け、黒い塊が、鎌自身の意思であることに気づく。そして、鎌に向かってメリーを支配するキーワードなんかが利かなくなるくらい大切にしてやる。大切にされることが当たり前だと感じさせてやる。そしてメリーを裏切るような死に方は絶対にしないと叫んだ。

上田は黒い塊が沈み込んでいくのと同時に目を開けた。そこには麻子にすがりつくメリーがいた。

そのメリーに「俺も大切にしてやるからな」と声をかけた。メリーの笑顔がはじけた。

駆け寄ってきたメリーは上田の首に手を回し、耳元で「約束よ」とつぶやいた。

その後部屋に入った上田は麻子に、メリーが都市伝説として語られている存在であることを伝えようとした。そのやり取りの中で、上田はメリーの変化に気がついた。表情が違っていた。白いワンピースに着替える前には見せたことのない少し勝気で安心しきったような表情。それは上田にとってつい最近に感じたはずなのにひどく懐かしいものだった。

メリーは自分が都市伝説の中のメリーと言う存在であることを自らの口で語り、大切にされないものへの使命感で自分の中にある黒い塊を沈めていくしか救われなかった自分の魂のことを話した。しかし、最後に、「私は、黒い塊に操られない。私は人形じゃない」とさらに、「そんなものに屈しない強い魂があることを知った」と告げる。そして上田に「交通事故では死なせない」とも・・・。

ほんの瞬きの間に人生一回分の妄想を黒い塊に見せられていた中でおきた上田の最後。その出来事をメリーが告げる。上田は回らない頭をめぐらして気づいた。

妄想を見ていたのではなく、妄想の中にいたんだ、と。

メリーもまた、自分と同じように妄想の仲で年月を過ごしたんだ、と。

上田の口から「そうか、メリーもキキキあそこにいたのかキキキ」という言葉が漏れた。

上田の目からは涙があふれていた。本当にともにすごしてきてもう出会えないと思っていた存在に出会えた。

そんなメリーに上田は言った。

そうだ、俺はそのためにあの妄想の中から戻ってきたんだ。

黒いものに操られないために、

やつの思い通りになんかさせないために、

メリーを大切にしてやるために、

それが当たり前だと、当たり前のことなんだと、メリーに伝えるためにキキキ

「メリー・・・

俺は、メリーの腕に抱かれたまま、言った。

「メリー、大好きだ」
posted by 126 at 01:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 第一から六の情景のあらすじ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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